植毛の種類|手術法から見るそれぞれの植毛法の特徴

一口に植毛といっても、種類もさまざま。手術方法によって、ヘアスタイルの出来上がりや、身体に与える影響、費用なども異なります。では、どのような手術を選べば良いのか? ここでは、代表的な植毛手術の種類について紹介します。


植毛の種類

1.FUT法(毛包単位植毛)

毛包単位で移植する方法が、FUT法です。

毛包とは、皮膚内に存在している、毛根を包み込んでいる組織。毛根から1~4本程度の髪の毛が生えています。

 

世界の自毛植毛クリニックの大半が採用する、標準的な方法です。

 

メリットは、一度に大量のドナーを採取できるため、全体の手術時間を短縮できます。料金も比較的安く、植毛効果も高いです。最新の実体顕微鏡(マンティス)を使用するため、植毛したとは思えないほどキレイな仕上がりになります。

 

デメリットは、後頭部に線上の傷跡が残ってしまうこと。また麻酔が効いているとはいえ、術後に強い痛みを伴うこともあります。

 

FUTについて詳しく知りたい人は、「FUTとは|植毛の種類と手術法から見る植毛法の特徴」をご覧ください。

 

2.FUE法(くりぬきグラフト採取)

後頭部からドナー株を採取する際、直径1mm程度のパンチを使って毛根をくりぬく方法です。

 

FUTと異なり、メスを使用しないため、痛みが軽減され、傷跡も残りません。

採取するドナーの大きさや移植先の毛穴が均一になるため、仕上がりも自然です。

特に、狭い範囲の植毛に有効です。

 

逆に、一度に大量のドナーを採取するには、坊主刈りにしなくてはならないため、広範囲への移植には不向きです。

しかし、医師の技量によることも多く、1時間に1000株以上植毛できるクリニックもありますので、対応できるかどうか、まず相談してみましょう。

 

難点としては、ドナーの採取に時間がかかること。また高度な技術であるため、限られたクリニックでしかできないことが挙げられます。

 

FUEについて詳しく知りたい人は、「FUEとは|その他の植毛法との違いと特徴を解説」をご覧ください。

 

3.ロボット植毛

ドナーの採取や移植をロボットの力を使って行う方法です。

人手不足を解消でき、医師の技量を問うことなく植毛できるのが利点です。

 

デメリットは、1本1本異なる毛根の向きを調整することなく採取してしまうため、毛根を傷めてしまうことが多いです。また頭髪にへこみや傷跡が残る、生え際の仕上がりが不自然、移植密度が低いなどの声も聞かれます。

 

ロボットが全自動で採取や移植などの工程を行うこともあれば、ロボットの力を借りて、実際の手術は人間が行うこともあります。

 

ロボット植毛について詳しく知りたい人は、「ロボット植毛とは|その他の植毛との違いと特徴を解説」をご覧ください。

 

4.SAFE SYSTEM法

FUEの改良版として2004年に発表された方法です。

FUEの問題点として、毛根の切断率が、専門の医師が行っても20~50%と高いことが挙げられます。しかし、SAFE法が導入されたことによって、毛根の切断率は5~8%まで下がりました。

 

FUEと同じく、特長はメスを使わないため、切除や縫合の傷跡が残らないこと。特に、狭い範囲のプチ植毛に有効です。

 

高度な技術のため、限られたクリニックでしか採用していませんが、傷跡が気になる人は試してみてもいいかもしれません。

 

5.ニードル法

韓国の大学教授が開発した方法で、数種類の植毛針を使って、ホール作成と移植を同時に行います。

生え際など狭い範囲ではキレイに仕上がりますが、広範囲の植毛には不向きです。

なぜなら、植毛針にグラフト(毛包単位での毛の呼び名)をセットする際、植毛針のサイズに合ったグラフトを正確に作成しなくてはなりません。そのためには、株分け段階でグラフトの余分な組織をそぎ落とさなくてはならず、その工程に大きな手間がかかってしまいます。

 

グラフトの生着率を上げるには、採取から短時間で移植することが重要です。

株分けに多くのスタッフの手が必要になるニードル法は費用も高額になる傾向があります。

 

6.パンチ・グラフト植毛

1960年代以降に流行した方法です。現在は、傷跡が残る、密度が低い、2回目以降の手術に支障を来す、仕上がりが不自然になる(特に生え際)、毛根の向きを調整できないといった欠点があり、ほとんど採用されていません。

 

7.人工毛植毛

ポリエステルやナイロンなどの合成繊維で作った人工毛を頭皮に植え込む方法です。

毛の表面に、人体の頭髪と同じようなキューティクルの構造を作ることで、自然に近い艶・色などを出すことができます。

 

植毛といえば、人工毛植毛をイメージする人もいるかもしれませんが、現在ではほとんど行われていません。

なぜならば、人間の免疫システムが人工毛を病原体と同じ異物と認識することで、体外に追い出そうとするからです。そのため、生着率が低く、1年後には6~8割程度抜け落ちてしまうことも多いです。脱毛分を補うには、年に1、2回のペースで手術を行う必要があり、精神的・経済的負担が生じます。

 

また人工毛は毛穴に汚れや細菌が蓄積しやすく、頭皮が炎症を起こし、化膿してしまうこともあります。脱毛率を下げるため、頭皮の奥深くにまで人工毛を差し込むと、体内にまで影響を及ぼすことがあります。その結果、永久脱毛してしまったり、無数の傷跡が残ったりしてしまいます。

 

アメリカでは人工毛植毛は法的に禁じられています。日本ではまだ禁止されていませんが、治療法としては推奨されていません。
 
植毛のデメリットについて、詳しく解説をしているので見てみてください。
植毛のデメリット|植毛手術にはどのようなリスクがあるのか
 
 


手術内容を吟味した上で、最も信頼できる方法を選びましょう

植毛にもさまざまな種類が存在します。それぞれ、メリットやデメリット、問題点などがありますので、よく検討してから手術を受けることをおすすめします。

クリニックによって、受けられる手術や得意な植毛方法も変わってきます。初めてで不安な人は、無料来院予約やカウンセリングを受けられるところもありますので、専門家に相談して、納得した上で、手術を行うようにしましょう。
 
植毛の採取方法について、知りたい方はこちらを見てみてください。
植毛とは|採取・ホール・インプラントそれぞれの詳しい解説